• 1. 伝統工法を大切にした地域の工務店
• 2. 多可町産ヒノキを使った家づくり
• 3. 大工の経験は一切不問。必要なのは「思い」のみ
• 4. 人材に求めるのは「思いの強さ」

1. 伝統工法を大切にした地域の工務店

2002年に多可町で工務店を開業後、一般住宅の建築・リフォーム事業を中心に、お寺や神社の建築・改修工事や古民家再生などを手がけてきました。

創業以来のモットーは、昔ながらの伝統工法を用いた大工仕事を大切にすること。墨付けや手刻みといった職人技を使い、木の特性を活かした木組みを行うことで、丈夫で長持ちする家づくりができるからです。

さらに職人が一本一本の木を見極めながら作業することで、伐り出した木を化粧面として見せるなど、伝統的な家を現代風にアレンジした建築デザインの提案もできるようになります。

工場出荷材を使うプレカット工法が主流となるなか、今後も手作業の技を守り継いでいきながら、伝統工法を知る大工だからこその仕事に徹していきます。

2. 多可町産ヒノキを使った家づくり

さらにもう一点、ビジョンの実現に向けた活動も続けてきました。それは「多可町産ヒノキを使った家づくり」です。多可町の山の7割を占めるヒノキをブランド化し、地域の木材需要を掘り起こしたいんです。

多可町産材が使えるようになると山に値打ちが出て、山の管理がさらに充実するようになります。山が元気になれば周辺産業が活気づき、多可町の活性化につながるでしょう。そうやって町が元気になれば外から人が集まり、さらに産業を盛り上げられるはずです。

地域に根づいた工務店として、山を軸とした好循環のモデルをつくる。そのための第一歩として2016年、伐り出したヒノキを乾燥させる低温乾燥施設を建設しました。さらに2017年には簡易製材設備を導入し、乾燥後のヒノキを製材できる体制を構築。こうした一連の活動を知った方から大型製材設備を譲り受けることもできました。大変ありがたく感謝しています。

すでに地域の木材店と共同し、山で伐採した多可町産ヒノキを仕入れ、自社で乾燥・製材したのち活用する〝地産地消〟のしくみができ上がっています。多可町産ヒノキを使った家づくりを通して町をますます盛り上げたいですね。

3. 大工の経験は一切不問。必要なのは「思い」のみ

今回の仕事参観日には「シニアツアー」「女性ツアー」「一般ツアー」の3部門に申し込みました。

シニアツアー (60歳以上)

シニアの方に主に求めるのは製材の補助作業です。製材とは丸太を角材や板に加工することで、製材機に木材を置いたり引っ張り出したりといった作業が頻繁に生じます。さらに剥ぎ取った木の皮や木屑、木粉が大量に出るんです。製材作業のサポートや木屑などの仕分け、廃棄処分を手伝ってもらえるとありがたいですね。
→ シニアツアーについて

女性ツアー (女性限定)

いま全国的に大工に就く女性が増えています。私も大工仕事に男性も女性も関係ないと思っているので、大工になりたい女性の方がいればぜひツアーに参加してください。せっかく大工に興味があるのに、働ける場所があるのかわからず断念するのはもったいないですから。うちの広報担当者は女性ですし、男女関係なく働ける場所がありますよ。
→ 女性ツアーについて

一般ツアー (60歳未満)

伝統工法の大工仕事を学びたい人はもちろん、たとえば家具職人を目指しているような人も歓迎します。家具づくりの基本的な技術を身につけてもらうほか、商品完成後の販売までサポートできます。もしくは製材に興味を持つ人であれば、うちの若手と製材事業を本格展開してもらいたいです。大田工務店で学び、いずれ多可町産ヒノキを使った家具会社や製材会社を地域で興すなどの気概のある人を受け入れたいですね。
→ 一般ツアーについて

4. 人材に求めるのは「思いの強さ」

正直うちの仕事はきついと思います。ですが「これがやりたい！」という強い思いを持つ人であれば続くでしょうし、夢を後押しする環境を用意できます。

多可町産材の活用にしても、製材事業にしても、私の一貫した思いは〝地域の活性化〟なんです。太田工務店で技術を学び、地域で業を興す人が増えれば、町がさらに活気づいていきます。この太田工務店が、地域で起業を目指す人の受け皿になれば本望ですね。